2019/02/27
府中運転免許試験場でバスドライバーコンテスト
第2回 バスドライバー安全運転コンテストに東京ワーナー観光バスが参加しました。
主催:東京バス協会 共催:警視庁交通部 於:警視庁府中運転免許試験場
コンテストではバス会社13社から選抜された24名の運転士が一堂に会し
「基本Aコース部門(旅客想定・安定走行部門)」「基本コースB部門(基本技術部
門)」「技術コース部門(応用技術部門)」の3部門に分かれて競技を行います。
●旅客の乗車を想定した「基本コースA部門」
基本コースA部門は、乗客がいることを想定した競技です。
そのため、「マルチGセンサー」という、一定のG(重力)がかかると角材が倒れる装置を車内に設置。●直線コース1&2 ●坂道発進 ●S字コース
車内に設置された「マルチGセンサー」
乗客がいるうえで、安定した走行ができているか、ということを審査します。
さらに、出発前には選手による旅客案内が行われます。「安全のためシートベルトを着用ください」というアナウンスが。
着用案内のあと、近くに座っている審査員から「高速道路以外だったらシートベルトはいらないのでは?」という質問が入る場面もありました。それに対し「法令により今は義務付けられているため、着用をお願いします」と返す選手。
このやり取りも審査基準に入るので、なんだか見ているこちらも緊迫した気分になります。
基本コースA部門、最後はS字コース。コースを走り抜けるまでのタイムと、縁石がタイヤに接触しないかどうかを審査されます
基本的な運転技術を審査する「基本コースB部門」
基本コースB部門の審査内容は以下の通りになっています。
●隘路(前進による枠内停車駐車)
●方向転換
●縦列駐車
※隘路(あいろ):狭い道のこと
基本コースB部門では、基本的な運転技術に加え、より精度の高い運転が審査の対象となります。
一番最初の競技は「隘路(前進による枠内停車駐車)」です。停止した状態から、3m×14mの枠内に右旋回、左旋回をして車体を収納するというものです。
隘路(あいろ)の競技審査中
ラインをはみ出せば減点、という厳しい審査基準がもうけられています。
次は「方向転換」です。右後退左前進、左後退右前進を1セットずつ行います。
狭いコース内で、大きな車体を器用に動かすのは、相当な技術が必要です。
高度な運転技術が要求される「技術コース部門」
技術コース部門の審査内容は以下の通り。
●パイロンスラローム
●狭隘箇所方向転換(たこつぼ切り返し)
基本コースの2つも、私からするとかなりのハイレベルだったんですが、この技術コースはさらに「職人技」だな、と感じました。
1つ目の「パイロンスラローム」。
狭い間隔に置かれたパイロンの間をすり抜けていく技術は見ていて爽快なほど。
前進だけでなく、後進でもパイロンを抜けていきます。
難易度の高い たこつぼ
2つ目はゴール付近にある囲いの中で行われる「狭隘箇所方向転換(たこつぼ切り返し)」です。
たこつぼ切り返しは、3mほどの狭い幅の入り口から前進し、囲いの中で転向、ゴール地点まで前進で抜ける、というかなり難易度の高い競技となっています。
開始から5分経過で、競技は打ち切りというシビアなルール。
見ていて一番ハラハラする競技でした……!
いよいよ結果発表!気になる3部門の受賞者は?
開会式から5時間ほど経過した14時15分ごろ、すべての競技が終わりました。
結果発表の前に、全選手が集合。
長時間の競技を終えた選手たちとバス車両が、心なしか輝いて見えます。
全選手と各バス会社の代表が集合そしていよいよ閉会式が始まります。
団体、部門別個人、個人総合の3部門で表彰が行われます。
気になる審査結果は以下の通り。
●団体表彰
・優勝
はとバス
・準優勝
東京ヤサカ観光バス
・第3位
フジエクスプレス
●部門別個人表彰
・基本Aコース部門(旅客想定・安定走行部門)
松井成一選手(はとバス)
・基本コースB部門(基本運転部門)
志萱(しがや)英俊選手(プリンシプル自動車)
・技術コース部門(応用運転部門)
松井成一選手(はとバス)
●個人総合表彰
・優勝
松井成一選手(はとバス)
・準優勝
三澤孝之選手(はとバス)
・第3位
木村昌一選手(フジエクスプレス)
表彰された各選手にはそれぞれ賞状やメダル、トロフィーなどが授与されます。
はとバスの松井選手はなんと基本Aコース、技術コース、個人総合優勝の3冠を飾り、3つのメダルを首から下げていました。
はとバス中村社長と記念撮影 府中運転免許試験場にて